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春画は江戸時代には笑い絵とも呼ばれ、性的な事柄と笑いが同居した芸術性の高い肉筆画や浮世絵版画の総称です。特に欧米では、19世紀末ジャポニスム時代以降、高い評価を得てきました。近年では、2013年から2014年にかけて大英博物館で開催された「春画 日本美術の性とたのしみ」展が大きな話題を呼びました。
このたび、東京の永青文庫で昨年、開催された日本初の「春画展」が京都に巡回するはこびとなりました。デンマークのコレクターをはじめ、日本の美術館・研究所や個人が秘蔵する鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎といった浮世絵の大家による「春画の名品」が勢揃いします。
さらに、京都の西川祐信や大坂の月岡雪鼎の作品を通して、上方ならではの春画の魅力に迫り、狩野派や土佐派・住吉派と春画との関係もさぐります。大名から庶民にまで広く愛された肉筆と浮世絵が一堂に揃うまたとないこの機会に、ぜひ「春画の魅力」をご堪能ください。
平成 28年 2月6日(土)〜 4月10日(日)
前期 2月6日(土)〜 3月6日(日)
後期 3月8日(火)〜 4月10日(日)
午前 10 時 〜 午後 6 時 (入館は閉館の60分前まで)
4月1日(金)以降は、午前9時45分から開館
3月18日以降の金、土曜日は午後8時まで開館
休館日 3月28日(月)3月21日、22日、4月4日は開館
これまで、春画といえば喜多川歌麿、葛飾北斎といった江戸の浮世絵師の作品が注目されてきたため、もっぱら「江戸」のものと思われがちです。
しかし、日本の春画の伝統は江戸時代よりはるかに古く、平安時代の中期までにさかのぼります。作品は大量出版 の版画ではなく、一品物の肉筆による絵巻物です。そうした古春画の舞台は主に京都の洛中洛外であり、貴族や僧が 登場人物として、当代一流の絵師によって描かれてきました。人間の性愛は愛でるべき楽しむべきものとして、大胆かつ笑いを含みつつ描く伝統は、形を変えながらも江戸時代の春画、浮世絵春画に脈々と引き継がれています。
「肉筆」とは版画のような印刷技術ではなく、人の手で線と色が描き出された書画のことをいいます。古くからある春画の始まりも、肉筆の作品になります。平安時代、春画は「偃息図」と呼ばれており、鎌倉時代に制作された春画が現存しています。本展で紹介する「小柴垣草紙」や「稚児之草紙」などは、鎌倉時代の春画を彷彿させる作品です。長い間、春画は上層の人々だけが享受してきたと思われますが、江戸時代になると庶民文化が花開き、浮世絵版画で活躍した多くの絵師たちが、肉筆の春画にも腕を振るうようになります。肉筆春画の輝く絵具と、のびやかな筆線、やわらかな描写、細緻な文様からは、日本の絵画の最上質の部分が春画に込められていることがおわかりにいただけることでしょう。
本展では、浮世絵師の春画だけではなく、徳川将軍や大名家の絵画制作を担った狩野派の作品もご覧いただけます。質や大名家の絵画制作を担った狩野派の作品もご覧いただけます。
印刷技術の盛んでなかった時代には、上層の人々だけが享受してきたと思われる春画は、江戸時代に入ると浮世絵版画とともに普及しました。著名な浮世絵師のほとんどが、春画を制作しています。つまり、春画を除いて考えてしまっては、浮世絵師の活動の全貌を知ることはできないといっても過言ではありません。また、江戸時代、春画は非合法の出版物であり、贅をこらしたものが少なくありません。ここでは菱川師宣(?~1694)、鈴木春信、鳥居清長(1752~1815)、喜多川歌麿(1753~1806)、葛飾北斎(1760~1849)らの大家をはじめとする浮世絵師が手がけた版画、版本をご覧いただき、絵とともに、彫り、摺りが織りなす版画の粋をご堪能いただきます。
縦9センチほど、横13センチ弱の版型の、小さな「豆判」の版画があります。現代風にいうとポケットサイズの版画です。大判の錦絵作品を豆判に縮小したものもありました。また、江戸時代に用いられていた太陰太陽暦では、ひと月が30日である「大の月」と、29日の「小の月」との配列が年ごとに違い、その年の月の大小の順序を明示する大小絵暦を錦絵で作ることが盛んでしたが、豆判でも作られました。
作られた豆判は配布したり、携帯したりするのに便がよかったため、様々なところで見せ合っていたのではないかと言われています。携帯し、見せ合いをする小さな世界に、春画に向ける江戸人の大らかな感覚が認められます。
〒606-8342 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
細見美術館 アートキューブレクチャー 係
※友の会会員は2月9日(火)~(先行予約)
・申込開始日到着分からの受付となります。
・申込開始日以前に届いたものは無効となりますので、ご注意ください。
【注意事項】
・定員になり次第、受付を終了いたします。
・定員内の場合は聴講券をお送りいたします。到着時にすでに定員に達していた場合は、ご参加いただけない旨を返信はがきにてご案内いたします。
・1週間を過ぎて、いずれのご案内も届かない場合はお問い合わせください。
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京都市岡崎いきいき市民活動センター
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